惜別の歌

 理路庵先生のブログが終了した。
 先生は、遠く離れたセブ島に住む『孤高の人』である。私のブログは先生に触発されて始め(拙ブログ『CLEOPATRA'S DREAM』)先生の励ましでここまで続けることが出来た大恩人である。
 私は毎日のように小林旭の『惜別の歌』を聴いている。

 我が人生を顧みれば『善きことは長続きせず、必ず終わりが来る』の一点に尽きる。幼き頃より身に染みて感じて来た。若い頃は常に新しきことがこの感傷を打ち消してくれたがこの歳になるとしみじみと身に染みる。

 悲しむなかれ わが友よ
 旅の衣をととのえよ

 先生が『さあ、ぐずぐずするな。』と仰っているような気がする。私の甘えた感傷を気高き先生は許すまい。
 理路庵先生、今まで本当にありがとうございました。

・・・
 理路庵先生にジプシーキングスの『インスピレーション』を贈ります。
これは、池波正太郎の時代小説『鬼平犯科帳』のテレビドラマのエンディングで使われ、時代劇との取り合わせが話題になりました。『鬼平犯科帳』のロケ地が日本の風情を本当に良く映し出していてとても気に入っています。 

 『鬼平犯科帳』は電車通勤していた頃、毎日読んでいました。それこそ毎日の行き返りに読み何冊も読み耽りました。通勤電車が日常のストレスから離れることが出来る貴重な時間を提供してくれたのも『鬼平犯科帳』のお陰でした。池波正太郎は痛快時代劇の中に人の欲望や情愛を丹念に描いていて、読者を江戸時代に連れて行ってくれました。
 この曲を聴くと人生の盛りだった頃、様々なストレスを抱えながら通った通勤電車で吊革につかまりながら『鬼平』を読んでいた自分を思い出します。
 
 いつまでも聴いていたいと思わせるギターの奏でる旋律も、これからという時に潔く終わってしまいます。どのように有為転変があっても終わりは突然訪れると言っているかのようです。
 
 先生のブログは終わってしまいました。万感胸に迫る思いがあります。しかし、これも先生一流の励ましではないのかと思うようになりました。
 『悲しむなかれ わが友よ 旅の衣を ととのえよ』
そう促してくれたのではないか。
 前に進めと言われている気がしてなりません。ならば続けられる限り私はブログを続けよう。
 理路庵先生ありがとうございました。

 

 
 
 



コメント